ちょっと前に読んだ本

富士山大噴火 (講談社文庫)

富士山大噴火 (講談社文庫)

鯨統一郎の長編シリアス物はいまいちなのが多いが、これもあまり期待してなかった。パニック物だが、思った通り、淡々としていて緊迫感がない。会話のせいだろうか?西村寿行は淡々としながらも寒い恐怖感が漂うのだが、これはあっさりとしているし、暗いイメージがない。「北京原人の日」と同じ主人公カップルだが、前作の記憶がまるでないし、記号化されたイメージ。ミステリのキャラとしてはよいが、こういう話としてはどうだろう。

それでも地震予測ができるようになった民間研究者の女性はなかなか魅力的だったし、彼女がある意味ヒロインだったかもしれない。

TVドラマとしては好きだった「日本沈没」が原作読むといまいちだったこともあるし、パニック小説と俺の相性が悪いだけかもしれない。新幹線から海側に見える富士山アングルの謎も妙に期待させた割には拍子抜けだった。

鯨統一郎はやはりふざけた歴史小説の方が合っていると思う。