最近読んだ本

妖霧の舌 (光文社文庫)

妖霧の舌 (光文社文庫)

牧場智久、武藤類子シリーズ。竹本健治の書くキャラクターはいつも魅力ない。美少年、美少女のステレオタイプ。今回はアキバ系オタクとして桃井棋士の登場。風呂に入らない不潔でダサイかっこうをした太った青年。天才的な碁を打つというが具体的な描写がなく、「囲碁殺人事件」などに比べてゲームは飾り付け程度。

解説の人は登場人物を記号として扱うことで、現代の虚無感を表しているというがはたしてそうだろうか?読んでいて興味をひかないのはエンターテインメントとしては致命的だろう。あまり売れないのもわかる。

それでいて、牧場や類子のようなキャラクターを毎回登場させている新書がこの後出ているのは理解に苦しむ。たまに、ウロボロスシリーズのような傑作を書くので、あなどれないが。