トルコ

ブルー


10月の初めにトルコ旅行に行ってきた。
トルコに興味を持ったのは、去年の春からトルコ投信メルハバ(こんにちはの意)に投資したのがきっかけ。新興国投信なので、乱高下が激しかったが、昨年12月にプラスのまま売却したので、いいイメージのままでいる。

世界的なレバレッジバブルの崩壊により、投資環境は最悪期に入り、自分の投資資金も40%減となり塩漬け状態となっている。短期的には戻り売りで損切りしながら、リスク資産を減らす方向だと思うが、長期的には新しい投資先を探す時期に来ているのではないかと思っている。

そんな中、VISTAのTであるトルコは、歴史的に見てアジアとヨーロッパをつなぐ、重要拠点であり、魅力的な国だと思っている。単に、投信のパンフレットにあるような運用会社のきれいごとや、紙の上の数値データだけでなく、ジム・ロジャースのようにその国に行ってみて、投資環境を探るという意味で、一度現地に行ってみるのもよいと思っていた。

といっても、普通のサラリーマンは外国に長期滞在など無理なので、会社の休暇を利用して観光ツアーに便乗する形で。

  • トルコの状況

トルコの世界遺産を巡るツアーだったが、観光地が離れていたため、バスで長距離を走っている間に、トルコ人の現地ガイドが、トルコの歴史から政治、宗教、生活様式などいろいろ説明してくれて非常に勉強になった。

ほとんどがその受け売りだし、間違って理解している部分もあるかもしれないが、自分の印象も含めてトルコの現在の状況(イメージ)をずらずらと書いてみる。

イスタンブールは、トルコの中でも人口が最も多い都市だが、旧市街はモスクやオスマントルコ帝国時代の宮殿が残っていたりしており、シンガポールなどに比べるとまだ発展途中の観光都市という感じがする。新市街はあまり行かなかったが、ホテル周辺を見ても高層ビルは見当たらない。旧市街と新市街を結ぶ橋で一晩中釣りをしている人がたくさんいて、ほのぼのとした感じもする。

都心に住むトルコ人は定年退職後は退職金でセカンドハウスを海沿いに買い、週末は孫たちと過ごすらしい。給料はそんなに高くなさそうなので、土地がまだ安いのか。似たような建て売り住宅がイスタンブールから南下していくとたくさんあった。

エーゲ海沿いの西海岸は、ギリシア建築の遺跡があり、観光地という感じ。伊豆半島の熱海から下田に近いイメージ。

内陸は農地や遊牧で農業中心。カッパドキアは有名な石灰岩の町で有名だが、車でも相当距離を走らないと都市間の移動は難しい。ハイウェイの周りの風景を見ていると、畑や山しかない土地が延々続く。パムッカレ地方は温泉街で伊豆の修繕時辺りに近いイメージ。

東側はクルド人自治区もあり、観光客は近づけない。EU加盟に際して、トルコはクルド人問題について解決を迫られている。トルコ人現地ガイドは、クルド人の子供も差別なく教育を受けていると話しており、武装地帯を除くと良好な関係を強調していた。しかし、中国のチベット問題と同様、片方の意見だけでは判断がつかない。

トルコは農業国であり、自給自足が成り立っている。CO2削減規定は先進国と違って厳しい制約はないと思うが、広大な国土のため、都市間は車での移動がメインであり、鉄道もあるがあまり発達していない。トルコ民族は元は中央アジア遊牧民であり、田舎では定住という感覚が少なく、家の中の家具はすぐに引っ越せるようにしているとか。内陸部は地震が少ないせいか、レンガ積みで建築中の建物があった。

トルコはイスラム教の信者がほとんどだが、政教分離をうたっているので、国家としてイスラム教信仰を強制していない。礼拝の回数も個人の判断に委ねられ省略している人もいるようだ。

バスで田舎に行くと、小さい子供が必ず手を振ってくれる。観光客は日本人が多いせいか、観光地の店員は片言の日本語を話す。これはトルコ以外でも観光地にありがちだが。

現地ガイドさんは、トルコ人親日家が多いのは、和歌山県の樫野崎で起きたエルトゥールル号遭難がきっかけと話していた。学校で教えるそうなので、トルコ人の誰もが知っている歴史的出来事だが、日本人のほとんどが知らない。かくいう俺も某掲示板の投信スレで紹介されていた以下を見てから、初めて知った始末。

http://tana.pekori.to/tear/log/0412.html

ガイドさんの話によると、山田寅次郎テヘランでの後日談として、小泉純一郎が2006年に日本人のテヘラン脱出に使った飛行機の機長に会いに行ったそうだ。メルマガにも書いてある。

http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2006/0112.html

日本ではニュースにならなかったみたいだから、これも初めて知った。小泉特有の外交戦略だと思うが、こういう気遣いで人の心をつかむのはさすがにうまい。

  • 物価

イスタンブールは田舎に比べると多少高めだが、それでも日本よりも安い。トルコリラは世界的な円キャリー巻き戻しで、今はかなり安くなってしまったが、俺が行く前は80〜90円ぐらいで、旅行中にはどんどん下がっていた。観光地ではドルが普通に使える。ドルで買い物をすると、トルコリラやクルシュのコインをお釣りにくれたので、トルコリラには両替は全くしなかった。ユーロも使えないことないが、今はユーロ安になっているので、あまり受け取りたくなさそうだった。