最近読んだ本
- 作者: 二階堂黎人
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/04/20
- メディア: 新書
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水乃サトルシリーズは「奇跡島の不思議」と講談社文庫の短編集しか読んでない。マンガっぽくて、現実にはいないと思うが、キャラクターとしては悪くは無い。二階堂黎人はやはり蘭子シリーズが代表作であると思うが、息抜きにこっちを書いてるのかな?
手塚治虫のファンクラブ会長をやっていた作者らしく、手塚マンガのコレクターを登場人物にした殺人事件。得意の密室殺人もあり、コレクターならではの描写も多くなかなか面白かった。
手塚作品は「ブラックジャック」と「三つ目がとおる」と「リボンの騎士」ぐらいしか読んだことがないので、門外漢と言っていいだろう。手塚マンガの稀少本に何十万とか出す気になれないが、まんだらけや古本マンガ店に一時期通ったことがあるので、コレクターの世界で古本の値段が高騰したり、そういう収集にはまる人たちがいることは理解できる。
作者の体験に基づくものも多く、コレクター仲間の集会にはリアリティがあったが、やはり動機は納得しかねるものがあった。あと、被害者が両親にプレゼントした内容もちょっと状況的におかしいと思えるものだった。
全般的に水乃のキャラクターに助けられていて、蘭子シリーズよりも気楽に読めるのがよい。正月に実家に帰省している間に読めてしまった。