最近読んだ本

Pの密室 (講談社ノベルス)

Pの密室 (講談社ノベルス)

昔は現役ミステリ作家の中で一番気に入っていた島田荘司だが、途中から全然読まなくなった。理由はいくつかある。

  • たまに出す長編がとにかく長くて読むのに疲れる

  「水晶のピラミッド」までは我慢できたが、「眩暈」「アトポス」あたりで、段々とついていけなくなった。

  • 御手洗の偶像化

  御手洗潔というキャラが偶像化されすぎ。女性ファンに人気が出たため、それを意識した描写が鼻につく。今回の作品がそう。

  • レオナ松崎が嫌い

  これは誰もがそうだと思うが。

長編を買っても読まないので、御手洗もの短編集ということで、だいぶ前にノベルズ版を買っていた。しかし、中年となってますます軟弱化した石岡君と御手洗ファンの女子大生の冒頭のくだりがとても嫌で、しばらく放置していた。すでに、文庫版も出てるし、さすがに消化したいと思ったのでなんとなく読み始めた。

御手洗が幼稚園時代に解決した事件簿。もうこの設定からしてありえない。別に天才の幼稚園生がいてもいいけど、御手洗がとにかく幼い頃からすごかったというファンを喜ばすために作った作品としか思えない。トリックは昔の作品に近い大がかりな仕掛けで、そこそこいいと思うが、設定がだいなしにしている。

他にも積読状態の島田作品がいくつかあるが、また何年か放置となるだろう。

親鸞の不在証明 (ノン・ノベル)

親鸞の不在証明 (ノン・ノベル)

一休さん空海に続く歴史探求シリーズ?第3弾。

話中話の時代劇ミステリはそこそこ面白いが、トリックもかんじんの親鸞の不在証明もいまいち。不完全燃焼感が強い。

このシリーズはシリアス調で、鯨氏独特のユーモアが薄れているので、どうしても辛口な評価をしてしまう。

間暮警部の事件簿 マグレと都市伝説 (小学館文庫)

間暮警部の事件簿 マグレと都市伝説 (小学館文庫)

「間暮警部の事件簿〜神田川殺人事件」に続く第2弾。
マグレ警部シリーズのタイトルは鯨作品の中でも最高だと思う。もちろんメグレ警部のパロディだが、このタイトルを見ただけで、 いつも笑う。話はどんなにしょぼくても許せてしまう。
正直、話の作りは鯨作品の中でも最低ランクのできだと思う。基本はパターンの繰り返し。

主人公の探偵2人が依頼を受けた捜査の途中に出てきて太田裕美高田みづえ郷ひろみなどの歌謡曲メロディーを突然歌い出す間暮警部と谷田貝刑事。
「この事件は〇〇〇〇のメロディー見立て殺人です」
関係者は一人しかいないのに、「犯人はこの中にいます」
まさにおふざけメタミステリ。

それに、今回は「口裂け女」とか「高速で走る老女」など都市伝説が追加。

映画化されたせいかタイトル作品が短編集として出ていたので、買って読んでみた。
「農協月へ行く」は小学生の頃読んだような気がするが、すっかり忘れてる。他はたぶん初めて。
「日本以外〜」は予想していたよりも短くて、「間暮警部」と同様、正直タイトルだけで終わっている作品だと思う。

これを映画にしてどうするんだろという気がしたが、先月日本映画専門チャンネルでやっていたので、D-VHS録画した。予算がなくてしょぼくてB級なのは仕方ないが、無能役ダイコンの外国人俳優はもう少しなんとかならなかったか?せめてスティーヴン・セガールぐらいは出せなかったか。

他は「ヒノマル酒場」とか「新宿祭」が面白かった。小学生の頃読んでも面白さがわからなかったと思うが。