白昼の死角@ファミリー劇場

'79年に高木彬光シリーズとして、TBSで放送されたドラマの再放送。横溝正史シリーズ、森村誠一シリーズから続いたドラマ枠だが、高木彬光シリーズは社会派ドラマで探偵物ではなくなったので、当時は興味が薄れていた。原作もあまり面白かった記憶がない。高木彬光といえば、やはり神津恭介シリーズだし、「成吉思汗の秘密」「邪馬台国の秘密」「古代天皇の秘密」の歴史ミステリーや「刺青殺人事件」「人形はなぜ殺される」などの本格推理小説が好きなんで、当時は社会派ミステリはちょっと敬遠していた。

「白昼の死角」は角川で映画化され、タイトルのコピーはあまりにも有名。TV版は渡瀬恒彦山本圭岸部シロー小倉一郎と比較的な地味な配役で全9回と「人間の証明」よりも長かった。法の死角をつくというが、詐欺のトリックはちょっとせこくて、顔ばれはするし、今考えると穴が多い。でも、最近の株による買収劇が洗練されているとは思えないし、命をかけてないところがリアル感がなくて面白くない。

主人公の鶴岡(渡瀬)の愛人役綾香は浜木綿子で、学生服の渡瀬よりもかなり若作りだったと思うが、なかなかよい。劇団、本谷有希子によく出る吉本菜穂子が顔も話し方も浜木綿子にそっくりで、ああいう女優になってくれたらと思う。妻役の森下愛子は役柄のせいもあるが、どうもイメージが暗い。「タイガー&ドラゴン」で久しぶりに見たが、老けたのに演技が変わらなくてちょっと痛々しかった。

犯罪小説にありがちな後半暗くなるのはちょっとつらかったが、893役に下川辰平たこ八郎が出てきたり、なかなか面白かった。



マチルド: はっ!居眠りしてたら、もう終わってた orz